水の力を育む白神山地

 

五能線を旅する


僕の生まれ故郷は秋田県の県北で、父の仕事が国鉄の保線区担当をしており、県内を半年ごとに転勤し、一番長く在住していたのは、小学二年生から中学二年生まで過ごした能代市でした。

市内から秋田県内、第二の大きな河川 である米代川の北方向に、深い雪に覆われた山塊の連峰が望まれその当時は印象深い山並みでしたが、山名も知る事なく関東の都会へ引っ越しました。

ユネスコ自然遺産、白神山地という山名を知り、50年以上の時間が経過して、少年時代を過ごした五能線の沿線を訪問する機会が巡ってきました。僕の少年時代はSL利用であり、86形蒸気機関車でゆっくり走行するローカル線のひなびた風景の旅ですが現在は、ハイブリッド型ディーゼル列車のリゾート白神号が走り、お客さんとして乗車しました。

奥羽線東能代駅から五能線に入りしばらくは田園風景が続きますが、八森駅を通過し大間越駅を過ぎると車窓から美しい岩礁と日本海の風景が堪能できる様になります。
白神登山口駅から海の美しさはその度合いを高めて、深浦駅で頂点に達します。この沿線中にある12湖駅で下車し、12湖巡りの途中で立ち寄った茶屋で味わった白神の水の美味しさで海の豊穣とその美を演出する理由の理解に至りました。

白神山地は原生的なブナの天然林が、東アジア最大級の規模で分布する山塊で、標高1000~1200㍍級の山々が連なり、地質は花崗岩を基盤に堆積岩( 凝灰岩、泥岩、砂岩 )が表土を形成し、崩壊しやすい表面をブナの腐葉土と根の緻密な張りが崩落を防ぎ、豊かな生態系を育んでいます。

 

十二湖のひとつ、神秘的な透明度を誇る青池。

旧岩崎村と旧深浦町を分ける分水嶺に白神岳( 1232㍍ )と最高峰の向白神岳( 1243㍍ )が聳え、西面の山裾が日本海に接する大間越、深浦町間の五能線沿岸には、大小合わせて23の河川が白神山地から高い波動値のミネラル豊富な渓流水が海へ注がれています。

 

自然に形成された湖の鏡面に、ブナ林がキラキラと反射していました。

この沿線の探索で感じたことは、高波動地、特有の清々しい空気感と美しい海、そして海岸美です。山好きの人にとって観光地化した白神山地は、興味半減という感じが起きますが、そこで働く現地の人達は観光慣れの雰囲気は全くなく、親切でユーモアを演出するほどサービス精神旺盛でした。観光客に痛快さを感じさせる雰囲気は、自然遺産と町興しの調和が保たれ、人間社会と自然との関わりが将来どのように推移するのか。将来指針となる貴重な見本の様です。

 

 

 

白神山地の高波動地一覧


五能線沿岸は大間越駅から艫作崎を経由し、深浦町に至る海岸線が高い海の波動値を有しており海岸美の絶景が連続します。

測定場所波動値測定場所波動値
白神岳+520陸奥沢辺駅の海+180
蟶山+160ウェスパ椿山駅の海+180
崩山+160黄金崎+180
大間越駅の海+140深浦駅の海+160
白神登山口駅の海+280汐ケ島+180
松神駅の海+180弁天島+180
十二湖駅の海+180椿山(標高50㍍)+180
陸奥岩崎駅の海+180※白神岳を源流とする渓流が白神川です。

 

ブナ林と輝く日本海


木漏れ日の中の美しい散策道。
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明るい光が地上まで射すブナ林の群生地。

白神山地のブナ林は林相が明るく、うっそうと生い茂る森ではありません。十二湖周辺のブナは樹齢が100年から200年位の樹木で森を構成しています。多雪地帯の森ですから生育密度は高くない様です。

 

 

 

豊穣の海と自然エネルギー発電



海の透明度は沖縄が絶賛されています。

ここの海は清々しい空気感を感じさせる豊かさにあると感じました。
椿山の展望地から海を俯瞰して撮った風景です。

 


椿山の展望地の東方は高原大地が広がり、特産品であるニンジンジュース用のニンジン畑が広がっています。大地に大型風力発電機が建造され、観光施設や一般家庭600世帯分の年間使用電力を供給しております。

 

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2012.9.18
「水の力を育む白神山地」より( 旧自然生活館HP )

 

 


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